ケンマⅡ工法
ケンマⅡ工法は、鋼管に2枚の半円状の翼を取り付け、回転貫入装置を備えたくい打ち機によって鋼管を回転させて地盤中に貫入し、これをくいとして利用する工法です。
くい先端部の加工は、指定製造会社で適正な品質管理下で製造され、品質の高いくい材の供給が可能となっている。確実な打ち止め管理のもと地盤の支持力の確保を実現している。
本工法は、中~小規模建築物基礎を対象とした鋼管ぐい工法の開発を目的としたものであり、1つのくい径に対して、複数の翼部径を用意することで、設計荷重に応じた選択肢の広いくい設計を可能にしている。さらに、くい先端部をピース化することで、材料コストの低減を図っている。
ケンマⅡ工法は、ケンマ工法TACP-0520、0521、平成29年7月25日)で培った技術・実績をもとに、適用範囲の拡大を目指してくい径の追加を行って、新工法としたものである。
先端ピースの形
先端ピースの部品を以下の図に示す
※ ( )は公差を表す
※ 対象地盤の中間層が厚く硬質な時は、翼部厚さが 25mm以上の時に刃先加工を施す
くいの打ち止め管理方法
施工方法
本工法の施工方法は、次の4工程で行う。
① くいの固定
くい先端部をくい芯ずれ防止装置に固定し、くい芯位置にセットする。
② 回転貫入
くいの鉛直性とくい芯位置に注意しながらくいを回転させ、地中へ貫入させる。
③ 貫入完了
設計深度付近において回転トルク値及び回転貫入量を確認し、貫入を完了する。
④ くい頭処理
切断装置にて所定の位置でくい頭を切断する。
フーチングの仕様
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杭芯間隔1Dw X 1.5倍以上 (Dw = 杭先端羽根部径) へきあき 杭芯より 1.25D 以上 (D = 杭本体部径) |
杭材の腐食について
鋼管杭の腐食については、建築分野における通常の場合、鋼管の外側 1mm を腐食しろとして考慮すればよいとされています。
--- 鋼材の腐食しろに関する規定 ---
鋼材の腐食については、各種地盤については、各種地盤に設置された腐食試験用L型杭に対する腐食の実測調査から、以下の事項が指摘されている。
実測された年間腐食率の標準偏差は 0.005mm であるので、腐食率の最大値は平均値プラス4倍の標準偏差値を超えない。
これらの事項によれば、腐食しろとしては、従慣用的に用いられた 2mm を小さくすることが可能で、通常の場合は杭の外側 1mm を腐食しろとして考慮すればよい。この値は、平均値プラス2倍の標準偏差の値、0.02mm の年間両面腐食率を設定し、腐食が杭の設置後の経過年数によらず一様な速さで進むとした場合、50年経過した後の腐食しろの値である。ここでの腐食率は、鋼管の両面の腐食の和を示しているが、ここでは安全側の評価を行う事とし、鋼管杭の外側に腐食しろを考慮する。日本建築センター発行「地震力に対する建築物の基礎の設計指針(平成3年)」による。
参考画像
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その他のデータ・資料
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